この手はいつだって


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「おじさん、こんにちわ」
「おー、トッティーかい。こんにちわ。そうだ、林檎貰うかい?兄貴たちと食べなよ!」
「いいの?わー、おじさん、ありがとう!!」

 此処は田舎だ。僕達はあれからずっと此処に居座っている。おそ松兄さんも一緒になって神父ごっこをするようになって三ヶ月でトド松も加わった。
 トド松は僕達三人の中で一番弱くて、一番可愛がっている末弟だ。ただ、弱いからこそあざとい。オヤジキラーだしおばさんキラーだ。村に行くと、こうしていつも何かしら食べ物を貰っている。

「兄さん、ほら見て?林檎、おいしそうだね」
「そうだね…クリフさん、ありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそいつもお世話になってますから、その礼ですよ」
「薬草が出来たら、またお配りいたしますから…入用があるときは仰ってください。調合します」
「ありがとうございます!!こりゃ、教会に足向けて、寝れねぇな」

 僕は、昔から薬を作るのが趣味だった。それが意外と役に立っている。村人の風邪薬とか、怪我薬とか作ったりできるからだ。彼奴が好きだった薔薇園の隣に、いつの間にか僕専用の薬草園が出来てしまったぐらいだ。
 村の人達は僕達が二百年近く此処で神父をしていてもなんとも思っていない。それは、マインドコントロールが得意なトド松の力だ。この村の敷地に入れば、誰であって生き物なら僕達の『生活や年齢』は固定されるようになっている。いつから此処にいるのか、とか。そんなものは気にしないようになっている。もし、そういう会話や話題が出ても、すぐに皆どうでも良くなるようになっている。
 こうして僕達は、この名もない田舎の村で、ずっと暮らしていた。田舎村の外れにある小さな教会で。
 変わらないのどかな毎日を、思いの外不満もなく暮らしている。まぁ、時々悪魔が戦いを挑みに来るけど。天界の奴らは来たことないかもしれない。まぁ…ここら一帯は僕達が悪魔をぶっ潰してるから来る必要もないんだろうけど。別に僕達、村人に取り憑いてないし。


 強いて言うなら、この教会に取り憑いているのかも……しれない。

 僕とトド松はクリフさんに別れを告げてから、広場を歩いた。井戸で井戸端会議をしているおばさん達に手を振って、教会を目指した。

「おー、お帰りー」
「ただいま、おそ松兄さん!!」
「…ただいま。猫たちは?」
「庭で日向ぼっこしてるぞ?」


 
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