この手はいつだって


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 連れられた先は、古びてはいたけれど美しい教会だった。手入れが行き届いていて、此処にいる神父が如何にこの教会を愛しているのが伝わる。そして、何故か胸の奥に懐かしさと愛しさが込み上げた。そんなのは旅をして各地の教会を回るようになってからは、初めてだった。


 おそ松神父の説明で大体は把握できた。ここの教会は、おそ松神父の弟の趣味が功を奏して医者の代わりもしていて全て無償で行っているそうだ。たまに現れる悪魔も相手にならないほど実力を持っているらしい。今度詳しく話を聞きたいと思った。

「まぁ、ざっとこんな感じかなー。あ、此処の教会ならお宅らの守護天使呼んでも十分に羽根を休める筈だよ」
「うちの教会、神気が他よりも強いからね〜」
「そうだな……この教会を中心にとても良い気が広がっている。良い場所だ」
「……」
「そりゃ、『創世時代』からこの地は聖域だったからね」
「――――――」
「おーこわ。睨まれちゃった…チョロちゃーん、休戦しようってばー」
「黙れ外道。気安く名前を呼ぶな」

 ………
 チョロ松は、基本穏やかだ。周りに配慮が出来て的確な判断が出来る。ましてやこうやって相手に一方的に敵意を出すことなんてありえない。でも、現にこうしてチョロ松はおそ松神父を嫌っている。二人の間によっぽどのことがあったらしいが……

「シスター・トド松。どうして君のブラザーがあんなに俺のブラザーに怒りを抱いているか知っているか?」
「トド松。もしくは、トッティーって呼んで?で、二人が怒ってる理由か……んー、僕はその場にいなかったけど、かなり二人、仲が悪いらしいからね。僕達の中ではその中の悪さは有名だけど、そっちの弟神父がかなり兄さんに怒ってるけど、まあその理由も判らなくもないけど、怒る相手は見当違いかなっておもうかな」
「…え、おそ松神父も怒っているのか?」
「かなり。いやぁあ、あんなに内心でブちキレてる兄さんは久しぶりに見たかもー。今日は雷雨かなー」

 僕、困るー。
 そう言いながら、トド松は俺達を来客用の寝室に通してくれた。一人一部屋だが、部屋の中の扉で行き来が可能だと説明された。旅の荷物をベッドに置くと、おそ松神父は夕食の準備をしてくる間に散歩でもしたらいいと提案された。何故か、チョロ松を引きずって。

 
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