この手はいつだって
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(そうか!おそ松神父はブラザーと仲直りしたいんだな!!がんばれ、おそ松神父!!)
二人の間に何があったのかはわからないがきっとおそ松神父はチョロ松と仲直りがしたいんだ。休戦ではなくて停戦したいんだ。頑張れ、おそ松神父!!俺は応援しているぞ!!
そう思いながら、俺はお言葉に甘えて教会内を散策した。やはり手入れがいきとどいて美しく威厳がある教会だ。暫くとどまりたいと思うぐらい、気に入ってしまった。あとでチョロ松に相談してみようかな。
「―――…ん?」
教会の建物内は全て散歩し終わると、もう空は紅色に染まっていた。それに染まるステンドグラスが美しい。その奥の扉に惹かれて中に入ると、中ではなくて外に出た。目の前には六色の薔薇が咲き誇っている。もう、薔薇の時期は終わった筈なのに。神の聖なる気が強い教会だから、その気にあてられてずっと先続けているのかもしれない。
「青いバラ……凄いな。初めて見た」
薔薇の木々を眺めながら歩いていると、少し開けた場所に出た。小さな噴水と、古びた白いベンチ。それに合わせたように置かれている丸いテーブルと二脚の椅子。
『……なに、このテーブルとイス』
『フッ……俺の可愛いマイスイートキティに愛を説くのに、愛の民が俺に与えた甘美な『そういうの良いからとっとと本題を言え、○○○』
『う……村の人がスコーンをくれたから、紅茶を飲みながら話そうと思って倉庫から出してきた』
『初めからそう言えば良いのに。かっこつけない方が、僕は良い』
脳裏に、何かの映像が浮かんだ。二人の男が、あのテーブルと椅子に座って、いつも………毎日話をしていた。そうだ、俺はそれが、楽しみで―――――
―――――――――オモイ ダスナ
「……ッ…なんだ、急に耳鳴りが」
俺は急に鳴りだした耳鳴りに頭痛を覚えてベンチに倒れこむように座った。前屈みになって頭を抱えて乱れた呼吸と痛みが治まるのをまった。こんなの、初めてだ。
「…大丈夫、兄さん」
暫くすると、遠い空の向こうで雷鳴が聞こえ始めた。それを、遮るように俺の耳に、低くて感情があまりない…でもそれでいて何故か安らぎを覚える声が聞こえた。
反射的に顔を上げると、一人の神父が猫を抱いて立っていた。
「―――――――――…ぁ」
「………………」