火拳と私と。
□003 委員会
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「きりーつ、礼ー」
六時間目の授業が終わり、教室に青雉が入ってきた。
「あー、今日の放課後委員会があるらしいから、入ってる奴はすっぽかすなよ。」
青雉がそう言うと、委員会に入っている生徒達から嫌そうな声があがった。
そしてなぜかエースも、「まじかよ…」と声を漏らした。
「なんでエースが嫌そうなの。」
優美が聞くと、エースは顔だけを優美の方に向けて答えた。
「お前知らねェの?今日キャベツチップスの醤油味が新発売なんだよ。」
「知ってるけど…それが?」
キャベツチップス、通称キャベチは、優美とエースのイチ押しのお菓子だ。
「お前と一緒に買いに行こうと思ってたんだよ!」
「一人で行けばいいのに。私のことは別に気にしなくても…」
「俺は優美と行きてェんだ。」
急に真っ直ぐ目を見てそう言われ、不覚にも優美はドキッとしてしまった。
…何、ドキって。
どうした私の心臓。
優美の心情を知ってか知らずかエースは、「俺、優美の委員会終わるまで待ってるからな。」と告げた。
そんな二人の会話を前で聞いていたロビンとビビは、顔を見合わせて笑っていた。