短編集

□じゅーでん。
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夜が更けた頃、リムは部屋で一人、寝る準備をしていた。

電気を消しベッドに入った瞬間、部屋の扉がガチャッと開かれた。

そちらに目をやると、そこに立っているのは彼女の恋人でもあるエース。
どうしたの、と声をかけると、フラフラとリムの方へ歩いてくる。




「リム〜……。」




名前を呼んだかと思うと、ドサッとベッドに倒れ込み、リムを強く抱きしめた。




「エース? 酔ってるの?」


「ん〜、リム……」




微かに香るお酒のにおい。
エースはゆっくりと口を開いた。




「…最近構ってくれないから俺、リム不足。」




リムはここ数日仕事が立て込んでおり、エースと会える時間をゆっくり取ることが出来なかった。

エースの方も溜めていた書類の整理で忙しく、お互いに離れている時間が増えていたのだ。




「…だから、じゅーでん。」




エースはそう言うと、リムの上に覆い被さった。




「あの、私もう寝るんだけど……」


「知らない。」




リムに降り注ぐキスの雨。

すると突然、エースの頭がドサッとリムの首元に落ちた。




「…エース?」


「ぐー……。」




疲労と酔いがまわったのか、それともいつもの癖か、エースはリムを抱きしめたままいびきをかきはじめた。




「え……それで終わり?」




心のどこかでリムがガッカリしていると、




「もっとして欲しかった?」




と耳元で聞こえるエースの声。




「起きてたの!?」


「そうかそうか、じゃあご希望にお答えしましょう。」




その後、リムがエースに美味しくいただかれたのは言うまでもない。
 

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