Bluebird
□004 出会い
1ページ/3ページ
モビーディック号は、ある島に上陸した。
大きくはないが栄えた街もあり、ログは1週間程で溜まるということで、皆それぞれ買い出しなどで船を下りた。
華乃はレイと二人で街に出る約束をしており、共にショッピングなどをして楽しんだ。
するとレイがお洒落な雑貨屋を見つけ、その中に入る二人。
「見てレイ、このネックレス可愛くない?」
「あら、本当ね。華乃に似合いそうよ。」
華乃が手に取ったのは、青い小さな宝石の付いたネックレス。
それに一目惚れをし、買うことに決めた。
「レイ、お待たせ!」
「ちゃんと買えた?」
「うん! はい、これ、レイにプレゼント。」
「私に?」
レイが受け取ったのは、先ほど華乃が買ったネックレスの色違い。
「この赤、レイに似合うだろうなって思ったからさ!」
「ふふっ、ありがとう華乃。大切にするわ。」
一通り街をまわり終えた二人は、船へ戻ろうと歩き始めた。
すると二人の向かい側から、数人のガラの悪い男達が歩いてくる。
案の定、そのチンピラは二人を見てニヤニヤしながら近寄ってきた。
「そこの美人二人、今暇?」
「うわ、二人とも俺の超タイプ。」
「ちょっとだけ付き合ってくんない?」
騒ぎを起こすのは良くないので、二人は無視しようとしたが、華乃は男に腕を捕まれ引っ張られる。
「ちょっと……!」
「チッ……大人しくしてれば調子に乗りやがって。」
レイがキレそうになったその時、突然現れた誰かによって、華乃は男から引き離された。
「なんだテメェ。」
「やめろ、困ってんだろ。」
「あァ?」
チンピラが男に殴りかかろうとした瞬間、男は素早くそれを避け、逆にチンピラの腕をひねり上げる。
「いでででっ!」
「失せろテメェら。」
「…チッ、行くぞ!」
男が低い声で威嚇すると、チンピラ達は足早にその場を去っていった。