Bluebird

□008 入隊
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この日は、エースの二番隊隊長昇格祝いの宴が行われていた。

相変わらず船の上には物凄い量のお酒。


そして、すっかりできあがったエースは華乃に絡み始めた。




「華乃〜、お前も飲め飲め!」


「いや、私はお酒飲まな……」


「いいからほれ、グイッと!」


「ちょっ、」




無理矢理コップを口に押し付けられ、華乃は思わず飲み込んでしまった。


「大丈夫かー、華乃。」と心配するサッチ。




「……美味しい!」


「だろ〜! さすが華乃だな!」




意外な美味しさに、目を輝かせる華乃。

喜んだエースは、どんどんコップを差し出した。




「華乃、飲み過ぎじゃねェか? 顔真っ赤だよい。」


「エースもその辺でやめてやれ。」


「いいじゃ〜ん! 美味しいもんねー!」


「ねー!」




案の定泥酔する華乃。

止めるマルコとサッチをよそに、エースと乾杯を続ける。




「んんー、マルコォ……。」


「なんだよい。」




突然大人しくなった華乃は、ガバッとマルコに抱きついた。




「好きぃ……。」


「なっ……!」


「おいマルコ! 羨ましいなこの野郎!」




目を見開いて真っ赤になるマルコの顔。
それを見て羨ましがるサッチ。




「華乃!華乃! 俺にもギューしてくれ!」


「エースも好きー!」


「華乃俺にも…」


「華乃、いい加減にしろよい。」




マルコは少し怒ったような声色でそう言った。

それを聞いて、ごめんなさい…とションボリする華乃。




「ちょっと落ち着いてこい。」


「うん……。」




華乃はゆっくりと、甲板の端に歩いていった。


そんなに怒ることねェだろー、と抗議するエースと、なんで俺の前で止めるんだよ…と怒るサッチ。


そんな二人を無視し、マルコも立ち上がってどこかへ歩いていった。
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