Bluebird

□010 ライバル?
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夕食を食べようと、食堂に向かった華乃。そこでマルコを見かけ、声をかけようとしたその時、




「マル…「マルコさん! 良かったら、一緒に食べませんか?」


「シェリーか、いいよい。」




華乃と反対側からマルコに声をかけるシェリー。
マルコは華乃に背を向け、彼女と共に行ってしまった。


そして立ち尽くす華乃と目が合うシェリー。




「!」




一瞬、ニヤリと笑ったのが見えた。




「…華乃。」




呆然と二人の後ろ姿を見送る華乃に声をかけたのは、レイだ。




「私と食べない?」


「…うん!」




近くの席に座った二人。するとレイが口を開いた。




「見てたわよ。先を越されたわね。」


「……レイ。私、最近ダメなんだ。」




首を傾げるレイ。華乃はそのまま続ける。




「マルコとシェリーが一緒にいるところを見たくないって思っちゃうの……。」




二人が仲良くなるくらい、いいじゃんね。ちっちゃいよね、私。


俯きながら言う華乃。



レイは、優しく微笑みながら華乃の頭を撫でた。




「そう思って当然よ。それが、好きってことなんだから。」


「レイ……。」


「華乃は優しすぎるのよ。もっと自分を出してもいいんじゃない? じゃないと、すぐ誰かに取られちゃうわよ。」




レイの言葉を聞いた華乃は、スッと顔を上げて言った。




「…そうだよね。頑張る!」


「その意気よ。応援してるわ。」


「ありがとう、レイ。」




レイの笑みを見た華乃は不思議な安堵感を覚え、自然と表情も緩んでいた。
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