Bluebird
□004 出会い
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男は二人の方に振り返り、「大丈夫でしたか。」と優しい声で言う。
「あ、ありがとうございました!」
「強いのね、あんた。」
「少しだけ武道を習っていたもので。」
背が高く、程良く付いた筋肉に反して、顔は優しそうな好青年だ。
名はジュードというらしい。
三人は話していくうちに意気投合し、近くの喫茶店でお茶を飲もうという話しになった。
「ジュードはこの島に住んでるの?」
「いや、俺は海を旅してるんだ。あと一週間ほど滞在するよ。」
「私達と一緒ね。」
二人が最も驚いたのは、彼の年齢。若く見えるが、三十代後半だと言う。
「もうおっさんだよ。」と笑うジュードに、「男は三十歳を過ぎてからが本番よ。」という名言を残すレイ。
すっかり話し込んでしまい、外は日が沈みかけていた。
「ごめんね、二人の時間をジャマしちゃって。」
「ううん、ジュードと話せて楽しかったよ!」
「さっきは助かったわ。本当にありがとう。」
二人が改めて礼を言うと、ジュードは軽く手を挙げて先に席を立ち、店を出ていった。
「私達も出ましょうか。」
レイの言葉で、レジに向かう二人。
「……えっ?」
「ですから、先に出て行かれたお客様が全てお支払いになられました。」
なんと、二人の分のお金もジュードが払っていったらしい。
「…やられたわね。」
「これが大人の男性か……。」