Bluebird
□005 もやもや
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ジュードと別れ、船に戻ってきた華乃。
自分がどうやって戻ったのかも覚えていないくらい、彼女は放心状態だった。
そんな華乃に声をかけるマルコ。
「おかえり、華乃。…なんかあったのかよい?」
「ただいま……。」
それだけ返した華乃は、真っ直ぐに医務室へと足を運んだ。
その光景を見ていたハルタは、マルコに声をかける。
「…マルコ、なんか華乃に嫌われるようなことしたの?」
「んなことしてねェよい。たぶんな。」
医務室の扉を開けた華乃は、レイと目があった瞬間、「どうしよう、レイ……。」とその場へ座り込んだ。
「ジュードと会ったのね。」
レイの言葉に頷く華乃。
そしてゆっくりと口を開いた。
「…告白、された。」
「えっ?」
「私のこと、好きだって言われた。」
「…まぁ。」
異性からの告白が初めてだった上、相手が自分の気になっている人だった華乃は、頭の中の整理がつかなかったのだ。
「なんて返したの?」
「返事はすぐじゃなくていいって…島を出る前にまた会おうって。」
「…華乃は、どうしたいの?」
レイに聞かれ、なんとか落ち着いてきた頭を動かし、華乃は自分の気持ちを考えた。
「……私も好きだって言いたい。」
「うん。」
「もう会えないかもしれないけど、気持ちだけでも伝えたい。」
「そうね、それがいいわ。」
すると華乃はスッと立ち上がり、「明日、もう一回ジュードと会ってくる!」と言った。
「ありがとう、レイ。」
「頑張りなさいよ、華乃。」
華乃は決意に満ちたような表情で、医務室を出て行った。