Bluebird
□006 素顔
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翌日、マルコはエースに誘われて街の酒場へ向かっていた。
「昨日見つけたんだけど閉まってたんだよ! マルコが好きそうな店だから誘おうと思ってな。」
「…ぶっ飛ばすよい。」
その店の看板には、“Bar Pineapple”という文字が書かれてあった。
爆笑しながらマルコの背中を押して店に入るエース。
若干不機嫌だったマルコだが、店内の雰囲気は良く、酒も美味しかったため、満足したようだ。
すると、二人の近くに座っていた男達の会話がマルコの耳に入ってきた。
「お頭、どうですか例の女は。」
「予定通りだ。簡単に騙されてくれてるよ。」
「さっすがお頭! これでジュード海賊団の天下も近いっすね!」
ジュード海賊団。その言葉にマルコは引っかかった。
華乃が惚れた男の名前もジュードじゃなかったかよい。
確認してェが俺はそいつの顔を知らない。
そうこうしている間に、その男達は席を立ち、店を出ていった。
「どうした? マルコ。」
「…船に戻るよい。華乃が危ないかもしれねェ。」
「華乃が?」
明日、華乃があいつと会う前に話さなければ。そう思い、マルコは船へ急いだ。