障害兄弟の日常

□夏休みと遊び
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夏休みと遊び
1話 クーラー壊れた( ;´Д`)

セミの鳴き声がうるさいくらいに暑い夏。
半袖半ズボンで庭に洗濯物を干している男と、その隣で洋服を掴んで側を離れない男の子。
家の中では補聴器を両耳に付けた男の子とゲームをして遊んでいる男の子。
洋服を掴んでいるのは、三男の湯対馬。
補聴器を付けているのが次男の翔。
ゲームをしているのが、一番下の四男の煉斗。唯一の健康児。
そして、長男で、この兄弟の中でちょいちょい権力もってる?蘭夜です。
蘭夜「湯対馬、お兄ちゃんお買い物に行きたいんだけど。」
しかし、湯対馬には逆効果だったようで、抱きついてきた。
蘭夜はため息をつくと、湯対馬を抱っこして、家の中に入る。
蘭夜「翔ー!」
次男の翔を呼ぶと、歩いて来た。
翔「何?兄ちゃん。後大きな声で呼ばないでよ。近くにいるんだからさ。」
蘭夜「兄ちゃん買い物行ってくるからさ、湯対馬見てて?」
翔「はぁい。」
蘭夜は湯対馬を翔に渡そうとすると湯対馬が嫌がる。
蘭夜「湯対馬、兄ちゃん買い物行かないとお昼ご飯作れないよ。」
翔「湯対馬ほら、おいで、お兄ちゃんと遊ぼう。」
翔は湯対馬を抱っこする。
湯対馬は不機嫌そうな顔をしているが昼食を買いに行かなければいけないのでまぁ、よしとしよう。
蘭夜「煉斗ー、買い物一緒に行くー?」
煉斗「行くー!」
煉斗はゲームの電源を切ると玄関まで走って行った。
蘭夜もエコバッグと財布を持って
玄関に行く。
玄関につくと、靴を履いて待っていてくれた。
蘭夜は靴を履いて玄関を開けて外へ出ると、玄関の鍵をかけて、スーパーへ出かける。
煉斗「ねぇ、蘭兄ちゃん。」
蘭夜「んー?」
煉斗「あのさ・・・。」
蘭夜「どうした?」
煉斗「・・・なんでもない。」
蘭夜「そっか。」
スーパーにつくと、煉斗は蘭夜の袖を掴む。
煉斗は極度の方向音痴だが、匂いでたどり着けるらしい。
蘭夜「煉斗、はぐれちゃ駄目だよ?」
蘭夜は煉斗の手を握って買い物カゴをカートの上に乗せてまずは品を見る。
晩御飯を考えていると、煉斗の様子が明らかにおかしい事にきずく。
蘭夜「煉斗、お菓子買ってあげる。」
煉斗は珍しい発言に少し驚く。
煉斗「本当!?」
煉斗は目を輝かせながら聞く。
蘭夜「うん。ほら選びに行こう。」
煉斗はうれしそうに蘭夜の手を引く。
煉斗「兄ちゃん早く早く!」
蘭夜「こらこら、はしゃがないの。お菓子は逃げないよ。」
蘭夜は少し笑いながら言う。
お菓子売り場に着くと煉斗は楽しそうにお菓子を選んでいる。
すると家から携帯に電話がかかってきた。
蘭夜「もしもし。」
湯対馬「にーちゃんエアコンわれた。」
蘭夜「ええ、われたの!?」
湯対馬「うん。」
われた、というのは湯対馬との間では壊れた、という意味である。
早めに買い物を終わらせて、家に帰る。
蘭夜「ただいまー。」
煉斗は買ってもらったお菓子を翔に開けてもらい、おいしそうにもぐもぐ食べている。
蘭夜はエアコンのリモコンを持って起動ボタンを何度も押す。
が、一向に起動する気配がない。
蘭夜「うーん、これはまずいねぇ。」
湯対馬「にいちゃん体が変な感じだよぅ。」
蘭夜「うーん、お兄ちゃんのお部屋に行こうか。」
そういうと、みんなで蘭夜の部屋に行ってエアコンで涼む。
蘭夜「お兄ちゃんエアコン買ってくるから、三人でお留守番できる?」
翔「うん。」
煉斗「はぁい。」
湯対馬「・・・。」
蘭夜「湯対馬は翔兄ちゃんと煉斗と一緒にお留守番できるかな?」
湯対馬の頭の中はどうやらはてなマークでいっぱいのようだ。
蘭夜「お兄ちゃんエアコン買ってくるから翔兄ちゃん達とお兄ちゃんが帰ってくるまで、お家にいてね?」
湯対馬「うん!」
蘭夜は「よしよし。良い子だね。」
そう言って湯対馬と煉斗の頭を撫でると、また、出かけていった。
帰ってきたのは、夜の8時くらいだった。
夕飯を食べて丁度、エアコンの取り付けも終わったぐらいにみんなはそれぞれの部屋に戻って寝た。
蘭夜は三人の1日の様子を日記に書くことにしているので、日記に今日のことを書いて眠った。
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