障害兄弟の日常

□煉斗と障害と足
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2話 煉斗と介護と家
それから3ヶ月後。
僕は退院する事ができた。
お兄ちゃんは僕の足がもう動かない事を、教えてくれた。
でも、自分でも気付いていた。
お兄ちゃんは、僕の面倒をずっと見てくれるって、言ってくれたんだ。
僕は移動するために車椅子をつかう。
外用の車椅子とお家用の車椅子。
お家用の車椅子はもうお家にあるらしい。
だから久しぶりに、いや、初めて?お家に帰る。
お家の前について、お兄ちゃんが鍵を開けてくれた。
家の中はきれいになっていて、すごくきれいなお家だなぁって思った。
家の中に入ると、翔にいと湯対馬が出迎えてくれた。
2人の事や家の事は全部お兄ちゃんから聞いた。
僕はお兄ちゃんと翔にいに手伝ってもらって外用から、お家用の車椅子に乗り換える。
それからお兄ちゃんに僕のお部屋に案内してもらった。
お部屋には病院と同じようなベッドがあったんだけど、病院のより、大きいんだ。
蘭夜「煉斗がね、寝られないときはお兄ちゃんが隣にいて一緒に寝てあげるからね。」
嬉しかった。僕はまだ自分の名前とか、お兄ちゃん達の事しか、思い出せていないから。
僕はその日はお兄ちゃんと一緒に寝たんだ。
次の日の朝は、何だかもやもやした気分だった。
夢で何かを見たんだけれど、霧がかかったみたいに、よく見えなかったんだ。
蘭夜「煉斗?どうした?気分悪いのか?」
煉斗「ううん。昨日ね、夢を見たんだけど、よく覚えてないっていうか、よく見えなかったっていうか・・・。」
蘭夜「きっと、煉斗にとって、思い出したくない事なのかもしれないね。」
煉斗「僕にとって、思い出したくない事?」
蘭夜「うん。」
僕は考えてみた。
たぶん、事故の記憶?
でも、それも違った。
なんだか、ぽかぽかした気分だった。
見ているだけで、暖かい気分になれた。
煉斗「お兄ちゃん、お腹すいた。」
そういうと、お兄ちゃんは僕を抱いてリビングにあるテーブルの椅子まで連れて行ってくれたんだ。
蘭夜「煉斗も大きくなったねぇ。」
お兄ちゃんは僕の撫でてくれた。
ちょっと嬉しかった。
えへへ、って笑ったら、お兄ちゃんも笑ってくれたんだ。
それから30分くらいたって、ご飯ができて、湯対馬にいがお兄ちゃんに抱っこされながら降りてきた。
翔にいはもう座って待っている。
湯対馬にいが座ると、いただきますと言ってみんなでご飯を食べた。
朝ご飯を食べ終わると、お兄ちゃんが僕と湯対馬にいの着替える洋服を持ってきてくれた。
翔にいも、着替えていた。みんなでどこかに行くみたい。
僕は上着は着れるけれど、ズボンとか、自分で履けないんだ。
だから、お兄ちゃんにやってもらうんだ。
着替えてお兄ちゃんに抱かれた僕は外出用の車椅子に乗り換える。
そのままバスと電車でどこかに行く。
ついたところは病院だった。
怖くなった。
痛いのが嫌いで、よく泣くんだ。
でも、がんばったら、お兄ちゃんがお菓子とか買ってくれるんだ。
だから、嫌いでもなかったりする。
病院の中に入って五階の小児科というところの待合室に来た。
小さい子達がみんな楽しそうに遊んでいたけれど、僕はあるけないから、遊べないんだ。
僕がずっと、楽しそうに遊んでいる子供達を見ていると、先生に呼ばれたみたい。
お部屋に入ると先生が椅子に座ってた。
お兄ちゃんは僕を抱っこしてお兄ちゃんの足の上に座らされた。
川石「調子はどうですか?」
蘭夜「大丈夫ですよ、結構本人も楽しんでるみたいですし。」
お兄ちゃんは先生と楽しそうにお話してた。
川石「煉斗君もしもーしってするから、お洋服上に上げられるかなぁ?」
先生は笑顔で聞いてきた。
僕は先生の指示に従って洋服を上に上げた。
そして、深呼吸して、終わった。
川石「足見せてねー。」
先生は足を触っているみたいだけど、感覚がないから、足裏をくずぐられても、こしょばいなんて、思わないんだ。
先生が僕の足から手を離すとまた、パソコンっていうのに何かしながらお兄ちゃんとお話してた。
お話が終わるとお部屋から出てみんなでお家に帰った。
お家に帰ると靴みたいな物があって、お兄ちゃんに聞いたら僕が歩けるようになるための靴なんだって。
別に僕は歩けなくってもお兄ちゃんが抱っこしてくれればいいんだけどなぁ。
なーんて、思ったけど、面白そうだから使ってみようかな。
お兄ちゃんに履かせてもらったけど、なんか気持ち悪いっていうか、変な感じがするけど、寝る時は外してもらえるし、まぁいいか。
これずっと履いてればお兄ちゃん達の手間?が省けるみたいだし。
煉斗「おにーちゃんだっこ。」
そういうとお兄ちゃんは抱っこしてくれた。
大人になるまでお兄ちゃんに甘えてよっと。

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