障害兄弟の日常

□お兄ちゃんの秘密と未来
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二話 未来
夜。
暗い森の中。
煉斗がいつも遊んでいた公園。
そこには煉斗が。
蘭夜『また、変えられなかったのか?』
煉斗「お兄ちゃん?」
蘭夜「煉斗・・・。」
そばに近寄ろうとする。
煉斗「こないで。」
蘭夜「煉斗・・・どうして。」
煉斗「ごめんなさい。お兄ちゃん。僕をゆるしてくれる?」
蘭夜「お兄ちゃんの、お兄ちゃんのわがまま聞いてくれるか?」
煉斗は一瞬動揺した。
煉斗「いいよ。お兄ちゃん。」
煉斗の目の前に立つ。
煉斗「何?お兄ちゃん。」
ぎゅっ。
煉斗「お兄ちゃん・・・?」
蘭夜「どこで間違えたんだろうな。本当。お前はこんなにちゃんと育ってくれたのに。」
煉斗「お兄ちゃんは・・・間違ってないよ。」
とくん、とくん。
自分の鼓動と、煉斗の鼓動。
また、駄目だった。
気がつけば、元の世界。
朝になっていた。
隣には煉斗。
すうすうと可愛い寝息を立てながら眠っている。
頭を優しく叩くと、煉斗はうぅん。といいながら手を動かし、赤ちゃんの様な格好をする。
煉斗を抱いて、今日もリビングに立つ。
必ず救ってみせる。だって俺は。


更生官長なのだから。
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