short story

□気づいた恋
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クラピカ「シオン……。お前はまたそんなに怪我をして……。死にたいのか!?」




ただいま12月。

外に目をやれば、地面には薄っすらと雪が積もっているそんな時期。



クラピカは重い溜息を吐いた。

しかし、目の前にいる少女シオン≠ヘ傷だらけになりながらも ケロッ! とした顔でこう言ってきた。




シオン「だって、ボスを守るのが仕事でしょ? クラピカさん」

クラピカ「確かにそうだが、そんなに真っ向から攻撃を仕掛ける必要も、受ける必要もない。いつの日か本当に死ぬぞ!」

センリツ「まあまあ、シオンの性格知ってるでしょ?」



クラピカを横でなだめている彼女はセンリツ。

良くシオンのことをわかっている人物。



クラピカ「シオンが好戦的なのはよく分かっているが……。これではチームワークに支障が出る」

シオン「…………」


シオンは気まずそうに顔を歪めた。


センリツ「でも、シオンは仲間に怪我をさせたことはないし、同様に敵も死なせずに大きい怪我でせいぜい骨折程度よ?」

クラピカ「確かにそうだが……。今回はこれ位にしておこう」


クラピカはため息を吐いて、言い足りない顔をしながらも口を閉じた。


クラピカ「シオン。明日の任務は私とセンリツと組むことになっていたな」

シオン「あっ、うん」

クラピカ「1週間前に雇われたイスガを連れて行く。面倒を見てくれ。それから今回みたいに前のめりになるなよ」


イスガ、彼はクラピカの言った通り1週間前にクラピカ達の護衛団に配属された2つ年下の男だ。


シオン「わかったよ。クラピカさん」





クラピカはシオンの返事を聞くと呼び出されていたのか、ライト=ノストラードのいる部屋の方向に歩き出した。





シオン「にしても、新人の面倒を見るのかぁ。緊張してきたなぁ」


シオンは本当に緊張しているのか分からないような素振りで言った。


センリツ「そんなに緊張しなくても私もいるから」


どうやら心音で感情の読める彼女には、シオンが本当に緊張しているのが分かったようだ。


シオン「ありがとう。センリツ! とりあえず新人に怪我をさせないように努めるよ」


っとシオンは ニカッ! っと笑って冬の寒い廊下へ出て行った。






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