short story
□雨のち晴れ
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シオン「な、なんで……」
クラピカ「なんでだと? いきなり私を置いて走り去っていくからだろう」
クラピカは眉間にしわを寄せていた。
シオン「なんで怒ってるの?」
クラピカ「心配したからに決まっているだろう。放課後に告白をしようとしていたのに逃げるからだ!!」
え…………?
シオン「…………誰が?」
クラピカ「私がだ」
シオン「誰に?」
クラピカ「…………シオンに!!」
は…………?
ま、まさか?
シオン「で、でもさっ! 今日の昼休みに副会長と抱き合ってなかった?」
クラピカ「ちがう! あれは告白されて抱き着かれたんだ。しっかり断った」
シオン「そうなの?」
クラピカ「だから私の気持ちを受け取って欲しい。シオンの気持ちを私にくれないか?」
そう言うとクラピカは片膝を地面につき、シオンを抱きしめた。
シオン「うん……あげる!! 私の気持ちも全部!!」
シオンもクラピカの背中に手をまわす。
クラピカ「絶対に放しはしない。私だけを見ていてくれ」
そして、2人は冷たい唇を雨が止むまで求め合っていたのだった。
END
2013/10/16
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