STORY

□かまう。
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僕たちは、毎日
目まぐるしく働いている。

休みはちょこちょこ
貰えているけれど、
それでもやっぱり、自分の
時間なんて無いようなものだ。


「この映画、前に共演した
先輩が出てるんだ。」

「…ん、」

「ジョンイナ?」

つかの間の休日に
2人で映画を見ているものの、
開始5分ですでにうとうと
し始めている彼。
それでも寝まいと必死で
目を擦っていて、
思わず笑ってしまう。

「ジョンイナ、寝てもいいよ?」

「…やだ。
ギョンスにかまう。」

「ん、そっか。
じゃあ映画見よう?」

「…ん。」

そう返事をしたものの
彼が眠りにくまでは
あと数分後だろうな、
と思い僕は画面に視線を
移した。

ーー かまう、か。

ジョンインは僕のこと
かまってるの?

それってどんな気持ちで?

しょうがないから、
かまってくれてるの?


彼にそんな気はないと
分かっているのに、
ほんの一言に反応して深く
考えてしまう自分に嫌悪する。


僕も疲れてるのかな。


すでに隣で寝息を立てている
彼に誘われるように
僕も眠りに落ちた。
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