VOCALOID

□そんな感じ
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なんだか…

「すごい人…でしたわ…」

そう。何かが凄かった。
神威さんから発せられているオーラ、のようなものに魅せられた様な気がした。
オーラが強すぎて周りのものが霞んで見えてしまうくらいだった。

ふと、ルカが時計を見ると昼なんてとっくに過ぎ始めていた。

「あら、もう1時過ぎてる…」

一時間近くボーッとしていたのかと思い、私はまた忙しく動き回り始めた。
明日から再開する仕事に向けての書類整理だ。
一枚一枚目を通して、必要か不要かを判断してゆく。
どれだけ見てもなかなか減らない書類の山に思わずため息が出てしまった。
そういえば神威さんはどんな仕事をしてるのかしら…
見た感じ美容師とか…モデルとか?
もしかしたら役者の卵…とかその辺りかも知れないわ。
今度はフフッと笑みが溢れた。
っと、いけない、いけない仕事に集中しなきゃなのに…
まだまだ新人の私がミス何てしたら何をされるかわからないもの。
新人いじめとは聞いたことがあったけれど実際に味わうとかなり屈辱的だ。
しかし、この時代にやっと就職できた会社をそれじゃあサヨナラと出て行くわけにもいかないのが現象。
やっぱり現実は厳しいのだ。
フッと気合いを入れ直したつもりで短く深呼吸をして書類の山へと視線を移した。



*

「あ〜、やっぱりやってられないわ!」

ルカはあれから3時間ほど仕事に励んだ。
しかしまだまだ減らない書類の山にとうとう心折れてしまった。
ため息を着きながらうつ伏せになる。
このまま寝ちゃってもいいかな…
もうほとんど終わってると思いたいし…
時計を見ると時刻は4:30を示していた。
いやいや、このまま寝ちゃうのは体にあんまり良くなさそうだから…
散歩ついでに買い物に行こうかしらね。
そう思うと、すぐにバッグを取り、携帯、財布を確認し足早に自宅を後にした。
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