VOCALOID

□そんな感じ
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恋なんて。
一度もしたことないし、どんなものかもちっともわからない。
学生時代は周りの子たちに合わせて好きな子がいるふりもしてみたけれど、本当の恋心なんて掴めなかった。


【そんな感じ】


よくある少女漫画とか、ドラマとか。
甘い恋だなんて言うものも、いつかは味わえるだなんて思っていたらもう成人してしまった。
『白馬の王子様が〜』とか思ったことはないけど、周囲の男性が素敵だと思うことが出きない。
もしかすると自分の恋愛対象は女性…?
と疑う事もあったが、別にトキメキなんてものは微塵も感じなかった。
このまま一生独身というものを貫くものなのかとついつい頭を悩ませてしまう。
しかし、そもそも私はモテない訳でもなかった。
誰譲りなのかわからないがスタイルもいい方だし、顔も酷くはないと思う。
おまけに勉強は頑張ってきたから成績も上の中くらい。
男性達はよく寄ってきた。
まあ、その中から私が恋をできる人は見つからなかったから独身なのだけど。
ため息混じりに私はベッドに倒れ混む。
ぶっちゃけ、二十歳過ぎてるのに彼氏いない歴=年齢で、キスもまだだし、その先も…もちろんまだ。
とんだ箱入り娘状態で恋をしたところで彼氏ができる訳がないよな…なんて思い始めてもいた。


そんなある日の事だった。
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