愛するもの

□そばにいる
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「そーいえば!」

今まで静かだったアジトによく通る少女の声が響いた。

【そばにいる】

「どうしたのモモちゃん?」

突然大声をあげたキサラギに不思議そうな顔を向けるマリー。
三人しかいないアジトではいつにもましてキサラギの声が響いていた。
キサラギは鼻をならすと、マリーの手をとってこちらへと走って来た。

「お前らどうしたんだ?」

やけに楽しそうなキサラギだが、キサラギのその表情を見るとどうもいいことが起こるような気がしなかった。
キサラギはキョロキョロとアジトを見渡し、居るのが俺たち三人だけなのを確認すると、これでもかと輝く笑顔で口を開いた。

「団長さんって、好きな人いないんですか?!」

案の定、俺からしたらよろしくない質問だ。
しかし、キサラギが来たからにはいつかこのような質問が来ると予想して、あらかじめ考えておいた“魔法”の答えがあった。
それは…

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