罪と罰

□君の中のオイラに
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「団長…」

「ああ。ディアンヌの記憶がおかしくなってる」

「先程はメリオダス様の事を呼び捨てにしていましたよね」

「あいつが俺の名前を呼んだのはいつぶりだ……?」


食料を探しに行きながらオイラ達は頭を捻る。
ディアンヌが団長の事を呼び捨てにしているのをオイラは聞いたことがない。
そうだとすると、ディアンヌの記憶は七つの大罪結成前、十六年以上まで戻ってる…?
となれば、もう今のオイラの事さえも覚えてはいないかも知れない。
それはまた別の意味で辛い。


「団長。一度マーリンに相談してみてはどうかな?」

「そうだな。よし、エリザベス!オレをマーリンの所まで頼む。キングはディアンヌに何か食い物を持って行ってやってくれ」

「分かりました。少し急ぎましょう」

「了解。団長、よろしくね」


方向転換をした団長達を横目にオイラは今まで団長に合わせてきたスピードどから、一気にトップスピードを出して食料を探すと、ディアンヌの部屋まで急いで飛んだ。
またこの間にもディアンヌの記憶が消えていっているように思えてとても苦しかった。

ディアンヌ部屋に近づくにつれて、すすり泣く少女の声が聞こえてきた。
どこか懐かしくて、愛らしいこの声は…もしかしてディアンヌ…?
心配度が増し、更に急いでディアンヌの部屋の扉を開いた。




「ハーレクイン!」


扉を開くと共に飛び込んだのはディアンヌそのものと、酷く懐かしい、オイラの名前だった。
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