もしもの庭球混合シリーズ
□裏僕の場合
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★Story.1★
「あ、あの、天白さん。一体、どこに向かっているんですか…?」
そう。
夕月の言葉でわかるとおり、今、天白の車に乗って“戒めの手(ツヴァイルト)”全員である場所に向かっていた。
「まあ、着けばわかるよ。」
「天白様、さっきからそればっかり…。」
十瑚が呆れたような口調で言った。
全員がどこに向かっているのかを知らないため、あの忠実な愁生でさえも浮かないような顔をしていた。
「…あ、もしかして。」
そしてそんな空気の中、九十九がつぶやいた言葉は誰にも聞こえなかった。
********
数十分後。
着いたのは都内のテニスコート場だった。
「えっと、ここは…?」
「テニスコートだよ、夕月。…やっぱり、彼らだ…。」
「あ、ちょっと待ってよ九十九っ!」
そう言うと、すぐに車を降りた九十九。
そんな彼に十瑚の声は届かない。
残りのメンバーは急いで彼の後を追いかけた。
少し進んだ先で彼らが見たのは、しばらく戦いから遠ざかっていた仲間と九十九が話しているところだった。
「つ、くも…?」
「何で…。」
そしてその再会は、彼らにとって平和な日常の終わりを告げるものだった…。
→Story.2