メリーゴーランド

□第十一話 あの頃の思い出〜後半〜
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「神の声…?」


「えぇ。《死んではいけない》ってね
 多分その時点で、私は天使に拾われたと思うの」


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《《ピーポーピーポー…》》



「香奈!香奈!しっかりして!!!香奈ぁ!!」


羽南は血で染まっている私を見てずっと泣いてた


《大丈夫、私は平気よ?》
そう言いたかったけど口が動かないの


手を握りたいけど手が動かないの





届かないの





何も出来ないの





痛みなんてなかった




目が開いているだけ



それからすぐに病院に着いて

私は集中治療室に運ばれた


頭の神経(血管)が数箇所切れていて出血多量

足は車のタイヤが当り両足折れていたらしい


気づいたときにはもう



私は野原にいたの



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