きらきら

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5月――――のとある昼休み。
新入生がようやく高校生活に馴染み、友達ができた頃、一人の女子生徒が体育館側の木陰がある茂みをキョロキョロと見渡していた。


「フクフクー」


そう呼び掛けるとどこからかバサバサと羽音が聞こえて、女子生徒の肩に止まった
体長30センチくらいの大きさのフクロウがちょこんと女子生徒の肩に止まって一鳴きする。


「今日のフクフクのお昼ご飯は豪華ですよ!茹でたササミに菜の花。それからデザートにバナナとりんごですよ」


じゃじゃーん!とフクロウ用のタッパの蓋を開ける女子生徒のテンションに対してフクロウの反応が薄いがこれがフクロウの通常で普通である。


「ささ、召し上がれ」


タッパを地面に置けば女子生徒の肩から地面に降りたフクロウ。
小さな嘴でご飯をちょいちょいと啄む可愛らしい姿に女子生徒は頬を緩ませていた。
その愛らしい姿を見ていたら、ガシャンッ、ガタンッと何かが倒れた音に女子生徒とフクロウは顔を体育館に向けた。


「凄い音が……ハッ!誰か怪我を!?」


もの凄い音がして人が巻き込まれていたらと顔を青ざめた女子生徒は慌てて走り出す。
フクロウもバサァ、と羽を広げ、女子生徒の後を追いかけた。


「っ大丈夫ですか!?怪我は……え」

「「あ、」」


その場の光景に女子生徒――瑞貴結那はパチリパチリと数度瞬きを繰り返す。


「(ネットらしきものとボールが散乱して、男の人の上に男の人が乗っかって、衣類が少し乱れて、る……っ!!?)」


何をしていたのか理解して顔を赤く染めてカチンと固まった。
肩に止まっていたフクロウもいつもの半目を向ける。


「き、きんだんの……こい…!」

「え、」

「あ…な、何も見てません!お邪魔しましたっ、あとはごゆっくりどうぞ!」

「ちょ、待って!」

「なぁ赤葦、きんだんのこいってなんだ?」

「木兎さんは黙ってて下さい!」


背後で二人の声を聞きながら結那はその場を早々に立ち去りながら思慮していた。



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