V.G
□オマケ
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おまけ
俺のファーストキスは目の前の黄色いやつだった。
「タ、タイシのバカぁああああ!!」
あれは事故だった。カムイとファイトするカツミが見やがれ!俺のウルトラライドォオオ!と大きく降り下ろそうとした腕がバイト中の三和に当たり、バトルの様子を見ようとした俺の方へ。顔面同士がごつっ。と音をたてると同時に俺の唇に生暖かいものが触れた。お互い、だけでなく周りも固まる。三和も俺も放心状態で固まった。そこへ花咲が来て今に至る。
カシャッ。
…花咲に見られた。
「花咲、ち、違うんだ、これは。これは事故だ!」
「たいしとかいくんはそーいうかんけーだったのね。」
「メグ、大丈夫。写真を撮っておいたから何時でも見れる。」「ルッナちゃぁあああん!そんなに私の傷を抉りたいの!?」
間違いを弁解しようと試みるも月城のせいで更に悪化する。一方の三和は床で四つん這いになり「う、うえ"やら、お"おえー。」と今にも吐きそうな擬音語を発していた。ミサキが売り物のパックやデッキを三和から直ぐに取り上げ足で三和の顔を明後日の方へむける。
「ね、姉ちゃん。奥から白い布が見える。」
…三和の顔は云うまでもなく床に沈んだ。水面ではないのに沈んだ。ミサキはカムイに向かってこんな高校生になるんじゃない。と教育している。
「カッムイちゃーん!!」
元気の良い女の子の声。何故今日に限って来るんだ。といいたい。何時もなら逃げ出そうとする名前を呼ばれた少年は女の子の肩を掴んだ。
「ナギサ、今ならまだ間に合うここから逃げるんだ。」
きゅん。
少年は更に悪化する自分の未来のスイッチを押した。