V.G
□heart legion1.5
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夢だと信じたい。いや、これは夢なのだ。先導アイチが都合よく彼女たちを使うように私だって都合よく使うだけなのだ。
「私には………私にとっては花咲メグミは私の先導者だから。そう、あくまでこの世界で。だけど、私にはこれが現実でありたい。やっと、やっと楽しいって思えたの。ヴァンガードも、友達とも。メイトだって思えたの。貴方たちが彼をメイトっていうならば、私のメイトはメグミだから。」
人生薔薇色なんてことは言わない。そんなんじゃない。野花でいいの。何処にでもありそうな花だけど、それでも幸せに感じられる。それがとても素敵だって思えた。
「なんだかんだって言ってお姉ちゃん守りたいのは一緒でしょ?」
ドーナツの箱に手を伸ばすことを止めない少女は片手に幼い子供が好きそうな絆創膏の箱を掴んで離さない。
「ワタシもだよ、ワタシもお姉ちゃんを守りたい。」
だから、仲間だね。メイトとは言わない。
「怪我を心配してくれるとか、本当にその程度。普通のことかもしれないし、そうでないかもしれない。けど、そんな小さなことがすっごくうれしいときがあるの。なんでなんだろうね?」
「分からない、そんなこと。」
「そっか、むずかしいもんね。」
……。デッキの編成の手を止める。
難しい?いや、私は何も分かっていないし、見ていない。見たくもないのだ。「元」からも目を背け無かったことにしようとし、快楽を求める。なんの進歩もないズルい人間だ。
嘘をついた。
「そうね、とても」
楽な方へ
「難しいことだわ。」
落ちていっているだけ。