副会長もメイド様!?
□序章
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星華高校の生徒会室では,生徒会長である鮎沢美咲が,今日もつもりに積もった仕事に一生懸命取り組んでいるのであった。
「多い・・・・」
無言で行ってきた仕事とまたこれからしなければならない仕事の書類の量を見比べ,ぼやく。
生徒会の仕事は会長になったあの頃から,変わらない。
逆に,増えた。
男子校だったここは,荒れに荒れて荒れ放題。
まさにむさい男子の巣窟と言っても過言ではない状況だった。
会長になって,早2か月。
生徒会には女一人。
辛いと言えば,辛い。しかし,こんなところで音を上げている場合じゃ・・・・・
考え事をしていると,不意に日の光が陰った。
今は,夜7時。本当は帰らなければならない時間だが,特別に許可をもらっている。
「誰だっ,そこにいるのはっ!」
怒鳴りつけると,そこにいた人影が,生徒会室の電気をつけた。
突然の光で視界が遮られた。
やがてゆっくり目を開けると,目の前にそいつはいた。
端から見れば,とても奇妙な格好をしている。
サングラスに,艶のあるスカイブルーの短髪。
耳には,シンプルなピアスをつけ,ネクタイは緩んでいる。
口元は僅かに緩んでおり,どうやら美咲の反応に笑いが起こったらしかった。
そんな相手の様子を見て腹が立った美咲は,大声を張り上げようと口を開いた。
と,突然その人は動き出した。
「会長も大変だなぁ〜。ま,頑張ってくださいよ。俺は転校生の・・・」
皆まで言わずにそいつは生徒会室を去って行った。
「なんだったんだ・・・・」
これが新たなストーリーの幕開け・・
完