本丸
□川の下の子
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貴方にとってあの人の存在は大きすぎた
あの人の名は“沖田総司”
あの人は貴方の全てで、存在意義だった
例の事件の際に、傷付き折れた貴方はあの人に破棄されたと話した
だから私には棄てられないように懸命に尽くすと言った
でも貴方の瞳にはあの人ばかり映っている
新選組一番隊隊長のあの人を私に重ねている
あの人に嫉妬をしてる訳じゃない
私はただあの人と同じ様に貴方を愛したいだけ
深みのある艶やかな赤い鞘に黒が映える装飾を纏った貴方を
誰よりも愛を欲する貴方を
そして、愛に臆病な貴方をあの人と同じように愛してる