拍手お礼話集

□皆同じです。焦らなくて良いですよ
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『皆同じです。焦らないでいいですよ』


 
 四月前半の清々しい朝。
 春の香りが心地よく漂っている。

 そんな爽やかな空気の中、高校の制服を着た男女二人がある家の前で叫んでいた。


◇◆◇


「野菊ー!早く起きてー!」
「置いてっちゃうよ〜」

 うるさーい。
 今何時だと思ってるの。
 
 家の外から聞こえてくる声を無視しながら、水色のパジャマから腹を出しベッドの上で寝ている少女はまだ半分夢の中。

「もう8時になるんだけどー!!」

 へえ〜8時か。8時…8時…8…

 途端、少女の体がベッドから離れる。

「8時!?」

 ヤバイヤバイやばいって!!
 遅刻じゃん!!
 新学期なのに!!

 起き上がったばかりの彼女の頭はボサボサ。
 いつもなら最低限の身だしなみとして櫛で髪をとかすぐらいの事をしてはいるが、今彼女にそんな余裕は無い。学校の登校時間は原則8時30分。家から学校まで歩いて15分。頑張ればいけるがモタモタしていれば完全な遅刻である。
 と言うか清水と愛理ちゃんの声が聞こえたという事は、すなわち家の外で私の事を待っていると…。アカン!! 
 友人たちを遅刻にするわけにはいかない。
 慌てて高校の制服に着替えながら少女、野菊は部屋の窓を開けて外にいる友人に向かい叫ぶ。

「おはよー!ごめん二人共!!さっ、先に行っててぇぇぇええ!!」

 新学期の朝。
 電線にとまっていた鳥たちが驚いて一気に飛び去って行く程の声が町中に轟いた。


─────────
あとがき。
 
 これは現代でもし野菊や秋水たち、清水たちが同年代だったら?
 と言う、もう一つの現代パロとは違う感じの話です。
 
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