賢者の石

□013
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冷たい水滴の落ちる下り坂を下りていく。
大きな木の扉を開くと、一気に開けた所に出た。

「不思議。あんな鳥見たことない」
「アレ、鳥かしら」

頭上を無数に舞う”何か”をハーマイオニーが指差していう。
キラキラと光るモノに羽がつき、アーチ型の天井一杯に飛び回っている。

「鳥じゃない。鍵だ」
「コレは、妖精の呪文の一種かしらね」
「リオーネ。君って本当にマイペースだよね」

上を見上げるリオーネにロンは呆れたように言った。
リオーネは目を凝らして鍵鳥を見渡した。
全部一緒じゃない…
ロンが”アロホモラ”の呪文を試したが扉はビクともしなかった。

「ハリー。貴方が捕まえるの。
そうね、銀製で他のモノより古ぼけているモノよ」

リオーネが指を立てて言う。
ハリーが箒にまたがり飛び上がると鍵鳥達は一斉にハリーを襲ってきた。
しかし、其処は百年ぶりの最年少シーカー。
一直線に鍵を捕まえると急降下してハーマイオニーに手渡した。

「ハリー!早く!」

箒に乗ったままハリーが滑り込むとロンとリオーネで扉を閉めた。
扉を挟んだ向こうの部屋から鍵が扉に突き刺さる音がきこえる。
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