守りましょう

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ウィルと別れ、うず高く積まれた本の間を奥へと進んでいく。
闇の魔術の本や禁書が納められる棚の周りには人が少ない。
ナイルはそういうひっそりとした場所が好きだった。
ムッとした本の匂いに囲まれ、誰にも邪魔をされずに本に埋もれているのが好きだった。

「おや、先客がいた」
「そう思うのならすぐに立ち去れ」

ナイルの特等席(勝手に言ってるだけなので強制力はない)に縮こまるように座り、
分厚い本から顔を覗かせた少年は不機嫌そうに言い捨てた。

「そう邪険にしないでくれよ、Mr.スネイプ。私もここの本に用があって来たんだから」
「シルバスターは人を覚えないと聞いていたが…」
「そんな事を言うのはマルフォイ殿だろう。あの人は私の事が嫌いなようだから。
私だって覚えないわけじゃないさ、興味が薄いだけだ」

肩を竦めてみせるとまた目頭のシワが濃くなった。
これ以上機嫌を損ねては得とも言えないだろうな…
ナイルが大人しく口を閉じるとスネイプは警戒しつつも本の中に顔を隠した。
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