守りましょう

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暫くの間、紙をめくる音とペンが羊皮紙を滑る音だけが鳴っていた。
スネイプはそろりと本から顔を上げ、向かいの机でペンを走らせるナイルを盗み見る。
さらさらと書かれていく文字はスネイプには読み取ることができない。
ナイルの綴る文字と同じ字で書かれた本を片手で辿りながら羊皮紙を埋めていく。
時たま別の本のページを捲る。
副題のように書かれた”古代エジプト”の文字

「古代ルーン文字に興味が?
それとも、エジプトの闇の魔術の方かな?」

ペンをインクに浸し直し、羊皮紙を黒く染める。
古代ルーン文字と聞いて改めて見てもやはり読めはしない。

「ここにある本は一年生が読むには難しいと思うのだが、Mr?」

長く下がった髪の隙間から眩しそうに細められた青味がかったグリーンの瞳が見え隠れする。

「Mr.は闇の魔術に興味があるのか?」
「貴様には関係ない」

スネイプの手の内にある本は閲覧ギリギリの内容が書かれた闇の魔術の本。
過去にナイル自身も読んだ本だった。
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