秘密の部屋
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どさっ…
大きめの物が落ちる音を聞き、アルフレッドとリオーネは目を合わせた。
リオーネが膝から降りるとアルフレッドは読んでいた本を机に置き、立ち上がった。
「Mr.スネイプ…大丈夫か?」
二人が書斎から顔を覗かせると、暖炉の前に蹲る黒い塊がいた。
アルフレッドが呼びかけると、のっそりと動いて恨めしそうな目を向けた。
「煤で真っ白ですね」
「梟でも送ってくれれば掃除して置いたのに」
「時間がない。用を済ませたらすぐに帰る」
リオーネはハタキで丁寧にスネイプのローブに付いた煤をはたき落した。
アルフレッドがぬるま湯で濡らしたタオルを差し出すと
スネイプは一瞬戸惑った後、顔や手に付いた煤を拭った。
「我輩はお前達に嫌われているものだと思っていたのだが」
スネイプが言うと、二人は目を丸めした。
「俺たちは、あんたの思ってる以上にあんたの事を気に入ってる」
スネイプが呆気にとられた顔をするから、二人は夏休みの間で久しぶりに大笑いした。