秘密の部屋

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十月に入って何日も降り続ける雨
廊下の壁際を歩かなければ、この滝のような雨に濡れてしまいそうだ。
今更になって思い出した屋敷しもべの忠告をどうにか調べようと
図書館の本を漁ったが、それらしいものは見当たらなかった。

「そもそも、情報が少なすぎるんだ。
ホグワーツが危険なんて…そんなの去年だってそうだった」
「去年のは例外中の例外よ。あんなの滅多にないはず」
「じゃあ…」

アルフレッドは言いかけのまま口を閉ざした。
風邪の流行や長雨の影響で廊下には殆ど生徒の姿は見られない。
二人の足音の他に後ろの方から、忍び足で追いかけてくる人物がいる。
Mr.ではないな…
スネイプなら二人を追ってきたとしても、もっと足音高らかに来る。
そもそも、彼が魔法薬の教室にいるのは確認済みだ。

「ハリー達じゃないな。一人だ」
「マルフォイでもないわね」

ゆっくりと振り返ると、追ってきた人物はギクリと肩を竦ませた。
紅いネクタイと同じぐらい赤い髪、ウィーズリーで唯一の女の子

「あら、ジニー。どうしたの?」

ジニー・ウィーズリーは両手に本を抱え、
伏せ気味の目でアルフレッドをチラリと見た。
アルフレッドは一考したのちリオーネに先に談話室に戻る旨を伝え歩いて行った。
アルフレッドの背中が見えなくなった頃、もう一度ジニーに耳を傾けた。

「アルフレッドには少し言いずらかったの。
その、ロンに伝わるかもしれないと思って」
「じゃあ、伝えない方が良いのね?」

ジニーはこくこくと頷いた。
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