秘密の部屋

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『今年だけは、ハリー・ポッターに関わってはいけません』

泣きじゃくりながら自分たちに訴える姿を見た気がして、目が覚めた。
外はまだ暗い。
というより、寝てからまだそれ程時間は経っていないのだろう。

「リール…まだ起きてたのか?」

人気のなくなった談話室に下りていくと
リオーネが一人で杖を弄んでいた。

「来ると思ったから」
「やっぱり、フローか?」

リオーネはゆっくりと首を振った。

「そもそも、フローがここに来ているかもわからないもの」
「なら、確かめに行くまでだ」

リオーネの手を引き、こっそりと男子部屋の階段を上る。
アルフレッドの部屋の、誰が作ったか隠し通路を通って寮から抜け出す。
通路の先の絵画をズラすと月明かりの少ない廊下に出る。

「医務室は、どっちだ?」
「アルって方向音痴だったかしら」

カツカツと音の響く靴を脱ぎ、医務室へ急ぎ足で向かう。
消灯時間の過ぎた廊下に生徒がいるわけもなく、
昼間の比べ物にならないぐらい楽に進むことができるから
夜の散歩はやめられない。
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