賢者の石

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湖畔を船に揺られ、辿り着いた先は巨大な城。
石段を登り、巨大な樫の木の扉がそびえ立つ前に生徒たちは集まった。
石段のかなり下の方からは見えないが、上の方でなにやら言い合う声が聞こえたが、
二人は御構いなしである。

「リールそろそろ起きないと。」
「ん…お腹すいた…」

プラットホームから生徒たちを先導したひげモジャの大男…ハグリッドが城の扉を三回叩くと、
扉が開き、エメラルドのローブを着た魔女が現れた。
今度はその魔女に連れられ小さな空き部屋に案内された。

「ホグワーツ入学おめでとう
新入生の歓迎会が間もなく始まりますが、大広間の席に着く前に、
皆さんが入る寮を決めなくてはなりません。
寮の組分けはとても大事な儀式です。
ホグワーツにいる間、寮生が学校でのみなさんの家族のようなものです。」

魔女、マクゴナガル女史の言葉にピクリと無意識のうちに動いた。
”家族…ね”
目線を交わさず、言葉を交わさず
二人の手が絡み合ってしっかりと握られる。

「家族だって、リール」
「そうね、アル。どこの寮になるかしら。」
「どこでもいいさ」

_二人一緒ならどこでも_
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