賢者の石
□07
1ページ/9ページ
「リオーネ!聞いてちょうだいよ!」
毎日のように出る宿題を机に広げ一つずつ片付けていく。
一つ一つは難しくもなんともないが、量が多い。
大広間の机の一角を占領するように二人が座っていると、
ハーマイオニーが物凄い形相で駆け寄ってきた。
「落ち着いてよ、ハーマイオニー。紅茶でも如何?」
「…ありがとう、貰うわ」
アルフレッドが杖を振ると机の上の羊皮紙や本が綺麗に整頓され
二つの山に積み上げられた。
リオーネが渡した紅茶に一口口をつけると漸く落ち着いたのか
一つ息をついた。
「一体どうしたの?」
「ハリーとロンよ。
彼等ったら校則を破ったのよ?
それなのにまるでご褒美をもらったみたい!」
「まあ、褒美といえばその通りだろうな。嬉しい事にはわかりないはずだ。」
ハーマイオニーは再び興奮して声を荒げ、アルフレッドをキッと睨みつけた。
「彼等と関わるのはやめたんじゃなかったの?」
「…それは、そうなんだけど…」
「気になるのね。」
煮え切らない様子にリオーネはクスクスと笑った。
「アルフレッドはクィディッチに興味ないの?」
「ないな。箒も疲れることも嫌いだ。
大体、俺たちはその競技を見たことがない。」
ハーマイオニーはまさか。と言いたげに目を丸くした。
「貴方達、マグル出身じゃないわよね?」
「違うわ。コレでも魔法族よ」
「少し特殊ではあるがな」
カップに残っていた紅茶を一気に煽ると、少し冷めて苦くなっていた。