賢者の石
□08
1ページ/6ページ
「あら、二人だけ?」
談話室の窓際で宿題をしていたロンとハーマイオニーが顔を上げると、
黒とブロンドの両極の色の髪を持つ双子がいた。
「ハリーなら今、スネイプの所だよ」
「へー、珍しく」
「ロン、ここ違うわ」
リオーネの白い指がロンの羊皮紙を突く。
其処は丁度ハーマイオニーに教えて貰った所だったため、
ハーマイオニーはひったくる様に羊皮紙を取り上げ見直した。
「スネイプから呼び出しでもされたか?」
「今日の昼間にスネイプに没収された本を返して貰いに行ったんだ」
「なんて本?」
「クィディッチ今昔っていうやつさ」
ロンが答えるとアルフレッドは復唱する様にクィディッチと呟いた。
「なあ、その、クィディッチってのはどんな競技なんだ?」
至極真面目な顔で尋ねるアルフレッドにロンは開いた口が塞がらない。
「君、クィディッチを知らないのか?!」
「ああ、なんだそんなに有名なのか?」
「驚いた…シルバスターって魔法族の純血家だよな」
”純血家”…
その言葉にアルフレッドだけでなく
ハーマイオニーと宿題について議論していたリオーネまで一瞬固まった。
不思議そうにハーマイオニーが名前を呼ぶと
何でもないとリオーネは笑った。
「俺たち、少し辺鄙なとこに住んでるんだ。」
「へー、今度遊びに行ってもいい?」
「別にいいけど、周りが森だから迷子になるやつが多いんだ」