賢者の石

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もうすぐでクリスマスが来る。
リオーネはあまりの寒さに目を覚ました。
窓の外は真っ白。コレは寒いわけだ。と寝ぼけた頭で着替えを始めた。
同室の三人はまだ夢の中のようでリオーネの動く音のみがきこえる。

「おはようアル」
「リール…おはよ、今日は早いな」
「寒かったの」

談話室に下りると暖炉の火だけで薄暗い中ソファに身を埋めた片割れが居た。

「クリスマス休暇…帰るわよね?」
「帰るよ。調べたい事あるし」
『ニコラス・フラメル』

声を揃えて言う自分達に笑った。
笑いが収まる頃には早起きの人たちが起き出して談話室が賑わってくる。
そうなってくると暖炉の前に居座るわけにもいかず、
そそくさと談話室を出て行く。

「シルバスター」
『おはようございます。Mr.スネイプ』

大きな蝙蝠を連想させるローブ姿
妙に怒った顔のスネイプに怯むことなく笑いかけた。
それが不愉快だったのか、二割り増しに不機嫌な顔で鼻を鳴らした。

「貴様ら、一体何処まで調べた」
「何処までとは?」

軽い調子で嘯くアルフレッドにスネイプは益々苛立った。
足を踏みならして二人に近づいて見下す様に言った。

「貴様らには関係の無いことだ」

アルフレッドは睨み上げたが、身長差が恨めしい。
大人と自分達子供の差がはっきりと出ている。
それを実感させる差を憎んだ。いつもコレだ。

「全部調べ上げてやる。
ただし忘れてくれるなよ。俺たちはあんたの事全てを知ってる」

暫く睨み合う。先に動いたのはスネイプだった。
後ろから歩いてくる生徒が見えたのか舌打ちをしてすれ違っていった。
悔しそうに唇を噛むアルフレッドにリオーネは手を絡めた。

「大丈夫。私がいる」

頷くのを確認して大広間に手を引いた。
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