守りましょう

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夜空を切り取ったかのような天井
何千という蝋燭が宙に浮かび、その炎に照らされた金の皿やゴブレットが
キラキラと輝く
上座には教授たちが並び、次々と組分けされていく新入生を見守っていた。

「やあ、ナイル久しぶり。
夏休みはどうだった?」
「ああ、ウィル。いつもと変わらずといった感じだったよ」

グリフィンドールの長テーブルで手を振る同輩に促されるまま隣に座る。
組分けは丁度”N”が終わったところだった。

「ところで、今まで何処へ?」
「ちょっと、”散歩”していてね」
「何度も言うがね、Mr.シルバスター。君の散歩は徘徊というんだよ」
「今日は一段と厳しいね、スコット」

赤毛混じりの癖っ毛を束ねた髪。
呆れ顔のスコット。
濃い茶色の短髪。
利発とはかけ離れた優しい目のウィル。
二人に挟まれると帰ってきたと言う気がする。

「驚きの報告だナイル!
なんとブラックが我らが獅子寮に来たぞ」
「ブラック?グリフィンドールは深紅と金色の獅子寮だろ?」
「いや、まあ、そうなんだが、そうじゃない。」
「相変わらず興味がないと果てしなく消極的だね。」

くだらない話で盛り上がる。
結局は3人とも誰がどの寮に来ようが興味がないのだ。
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