守りましょう
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コンコンと控えめにノックする。
ややあってから扉が開かれ、中から顔を出したナイルは、
いらっしゃい。と言って僕を招き入れた。
「元気になったようでよかったよ」
「ナイルが応急処置をしてくれたからだってマダム・ポンフリーが言ってたよ。
ありがとう」
「大したことじゃないよ」
ナイルはそう言って僕の頬にある傷を撫でた。
擽ったくて身を捩ると、追いかけるように頭を撫で回した。
「戻った君を見たときは肝が冷えたよ。
いつもあんなに怪我をしているのかい?」
「ごめん、あんまり記憶がないんだ。
だけどナイルがそう言うなら多分そうなんだと思う。」
目が覚めた時、貧血気味ではあったけど普段のような痛みは少なかった。
今はナイルが治してくれたからだと分かってる。
だけど、目が覚めてすぐは、傷が少ないのは僕が
ナイルに噛み付いてしまったからなんじゃないかと。
そう思った。
「ねえ、ナイル」
「わかってる。ちゃんと話そう。隠し事は一切なしだ」