秘密の部屋
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せめてお茶だけでも…
リオーネがそう言うと、スネイプは大人しく席に着いた。
最近ハマっていたハーブティーにマフィンを出した。
「そんなに急ぎの用って何だ?」
メープルマフィンを掴みながらアルフレッドが聞くと、
スネイプはローブのポケットから乳白色の石を出した。
赤く加工された金具で装飾された石は中心に花を模した模様が彫られていた。
「これを返しに来た。我輩にはもう不要なものだ。」
机に投げ出された石をしばらく眺め、アルフレッドは”通行証”と呟いた。
「これは、誰が?」
「ナイルだ。」
スネイプが言う。
机の上で石を弄ぶアルフレッドの手をリオーネが叩く。
スネイプの答えを聞くと大人しくその石から手を離した。
「受け取れません」
リオーネは机の上を滑らせ石をスネイプの近くへ置いた。
「父さんの渡したものを私達が受け取るわけにはいきません。
それに、コレはまだ貴方にとって必要な物のはずです。」
「それは、ルーファスの力か」
豆鉄砲でも喰らったかの様な顔をするリオーネにスネイプは薄く笑った。
いつの間にか無くなったマフィンの代わりにクッキーを持ってきた
アルフレッドは首を傾げた。
「力…というか感ですね」