秘密の部屋

□03
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眉をハの字に歪める。
綺麗な顔なのに勿体無い…と
言いかけてアルフレッドは口を引き結んだ。

「私、二人がそんなに悪い人だとは思えない。
それに、ちゃんと訳を話してくれ無いのに駄目って言われても納得できないわ」
「俺等のことは、どんな噂になってるか分からないからな…
ウィーズリー夫人が言えないのもしょうがないとも言えるが、」
「貴女の好きにしていいんじゃないかしら。
私達は貴女がお友達になってくれると言うのなら嬉しいと思うだけよ」

突き離す様にも聞こえるが、リオーネが言うと
ジニーの顔はパッと華やいだ。
リオーネは妹が出来たような心境だろうか、ニコニコしているが
アルフレッドはどうにも遣り難さを感じた。

「そういえば、ハリーとロンはどうした?
一緒じゃないのか?」

ふとアルフレッドは疑問に思って聞いてみると、
ハーマイオニーとジニーは困ったように顔を合わせた。

「駅までは一緒に来たの。
でも、出発がギリギリで、ハリー達は私の後にいた筈なんだけど
列車の中でも見当たらなくて…」
「乗り遅れたのかしら?
一応、マクゴナガル先生に手紙を送っておきましょうか」

リオーネは何処からともなく羊皮紙とインクのいらない羽ペンを出し
さらさらとマクゴナガル宛の手紙を書いた。
アルフレッドは大人しく籠に収まっていたルノーを出してやると
ルノーは大きく羽を広げ、ほーと鳴いた。

「ルノー、此れを出来るだけ早くマクゴナガル先生に届けて欲しいの。
お願いできるかしら?」

勿論とでも言うようにルノーはリオーネの差し出した手紙を咥えた。
ジニーとハーマイオニーがよろしく。と言うと口が開けないからか
羽を広げ体を震わせて答えた。
窓を開けアルフレッドが外へ腕ごとルノーを差し出すと、
一度列車の風圧で後ろに流されたが、
旋回して前へ飛び立つとあっという間に見えなくなった。
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