秘密の部屋

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「家に帰って。ハリー・ポッター、家に帰って!」

医務室からキーキー声が聞こえてくる。
アルフレッドはリオーネと顔を見合わせると、駆け足で医務室へ滑り込んだ。

「僕はどこにも帰らない!」
「ハリー、声を抑えろ、外まで聞こえてるぞ」

ハリーのベッドのカーテンの中に入り込むと、
ハリーはもちろん、ボロ雑巾の様な布切れを纏ったしもべ妖精が
丸い目を飛び出さんばかりに見開いていた。

「アルフレッド!リオーネまで、何でいるの!」
「だから、声を抑えろっての!」
「貴方もよ」

スパン!と気持ちいいまでの音を立てて叩かれたアルフレッドは
頭を抱え悶絶した。

「思っていた人物とは違ったわ。
貴方だれ?」

しもべ妖精はリオーネとハリーの顔を交互に見比べると、
数歩下がって礼をした。

「ドビーめにございます。”屋敷しもべ妖精”のドビーです。
はじめまして、Ms.シルバスター」
「私のことを知ってるのね」
「勿論にございます。ドビーめのご主人様はいつも貴女方の事を話しております」

いつの間にか復活したアルフレッドのインディゴカラーの目が剣呑に細められる。
ハリーはゾクリと背中を冷たいものが這い上がる心地がした。

「貴方の仕える家はどの家かしら」
「お答えでできません。ドビーめはご主人様に内緒できているのです。
もし見つかったりしたら…」

おいおいと泣き出したドビーをリオーネは気にした様子もなく
そうなの。と呟いた。
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