SS書庫

□相身互い身
4ページ/7ページ



「どこに行くつもり?」


返事が返ってくるわけもなく、彼が歩くだけで自然と人が避けていく姿は、滑稽且つ申し訳ない気持ちにさせてくれる。
慣れたつもりでも、歩幅の大きい彼に歩みを合わせるのは大変で、少しずつ息が上がってくる。



やっと追いついたと思ったらそこは空き教室。

ドアを開ける時に、普段聞きなれない音がした。
スタープラチナなら鍵ぐらい開けることができそうだ、と思ってしまったので気のせいだ、という考えに改めた。

「こんなところで授業フケる気?」

窓も開いていない少しホコリっぽい教室は、角にあるせいか、日の光も僅かしか入ることはない。






次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ