菖蒲の物語〜獄都事変〜

□鈍感な君に愛を捧ぐ
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最近、周りの奴らがおかしい気がする。なんだか雰囲気がギスギスしているし、口論が多いと思う。
肋角さんに聞いても、
「お前は気にしないでいい。」
と言われる。
よくわからない。 これが最近の感想だ

「…島、…り島、斬島!!」
「っ!!」
「大丈夫?斬島?」
佐疫が心配そうにこちらを見ている。どうやらかなり考えていたらしい。
「大丈夫だ。そう言えばどうしたんだ?」
「あぁ、ねぇ斬島
俺は斬島のこと好きだよ。斬島は?」
「???」
「斬島は、俺のこと好き?」
佐疫が言う好きは、仲間としての好きだろうか?なら、佐疫のことは好きだ。仲間で親友だ。
「俺もs…「佐疫ぃぃぃ」なんだ?」
見たら平腹がこちらに走ってきている。
ダンッ
佐疫が問答無用で撃った。だが、平腹は気にせずにこちらにきた。
「佐疫ぃぃぃ」
「なに?平腹、うるさいよ」
「そんなこと、良いんだよ。それより、抜け駆けすんなよな。俺だって斬島のこと大好きなんだからな。」
……………………は?
何故こうなったのか、皆目見当がたたなくなった。
佐疫と談笑していたら、平腹が突っ込んで来て、今は二人で口論している。
「あぁ、うるせぇな」
ドアが開いたと思ったら田噛が、でてきた。
「だるい、なんだ?この騒ぎは?」
田噛が聞いてくるが、俺だって知りたい
「あー田噛、聞いてくれよ。佐疫がさぁ抜け駆けしたんだぜ」
「あぁ?」
「佐疫が斬島に告白したんだよ!!」
「…そうか」
「ずりぃよな。」
「なんで?俺は、自分の気持ちを正直に伝えただけだよ。文句があるんなら、伝えれば良いじゃん。」
「……それもそうだな。なぁ斬島」
もうどうしていいか分からずに、ぼーっとしているといきなり話し掛けられた。
「お前h…「ちょっと待って待って」んだよ」
田噛が言うことを遮ってきたのは、木舌だった。後ろには、谷裂もいる。
「俺らも参加するよ」
木舌が言うが、何がなんなのか分からない。
「ちっ、全員かよ。まあ良いか
斬島お前は、誰が好きなんだ?」
「みんな好きたが。」
「「「「「はぁ!!!!」」」」」
「ん?何か可笑しかったのか」
「当たり前だろっ!!なんで全員なんだよ」
「???仲間としての好きだろ?だったら、全員好きたが。」
先ほどから思っていたことをいうと、あの平腹すら黙りこんだ。
「ほんとっ、斬島らしいね」
「ほんとにな!」
「まあ、今日はこれで良いか」
「みんなで酒でものむか」
「だるい」
全員いつもの調子だった。
こいつらと笑い合うことが一番好きだ。

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