菖蒲の物語〜獄都事変〜

□竜胆
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斬島斬島斬島斬島斬島斬島好きだよ…愛してるよ。…愛してるからこそ悲しませてみたいんだ。
「さ…えき?」
斬島が驚いた顔で俺を見ている。まぁいきなり押し倒されたら、誰だって驚くだろう。でも今は、どうでもいい。
「斬島…俺言ったよね、俺意外の奴と二人っきりになるなって…」
「しかし…任務で…」
「なら、もっと警戒心をもってよ…平腹に押し倒されたんだって?駄目じゃないか、もっと自分の魅力に自覚をもってよ…皆斬島のこと…ソウイウ目で見ているんだよ…」
そう言って、俺は斬島の首に手をかけて、力を入れた。
「うっ…あぁ」
斬島はもがいて逃げ出そうとしているけど、銃器を扱う俺は握力が強い。
斬島が薄く目を開けて悲しげに俺を見ている。あぁ、そんな表情も堪らなく愛おしい。
「斬島…斬島愛してるよ。ずっと一緒にいようね。」
斬島は、酸欠で気を失っていた。涙を流した、悲しげな表情で。
「可愛すぎるよ、斬島ぁ」
斬島に布団をかけて、テーブルに置いていた花を見る。斬島の瞳のような色の花…竜胆。
「斬島が起きたら、あげよう」
竜胆の花言葉は…

 悲しんでいるときのあなたが好き
      

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