菖蒲の夢物語

□sweet time in gokuto
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 食堂には、甘い匂いが立ち込めている。キリカが帰った後此処に立つ者は、食事当番か、(堕)天使と称される彼か…。今は後者だった。

 彼――佐疫の前には、様々な菓子が所狭しと置かれていた。トルテやフルーツケーキ、シュークリーム、タルトにアップルパイ、ワッフル、マカロン、その他諸々…お前は女子か?と問いたくなるようなメニューを作っていた。

 更に今は和菓子を作っている。あんころ餅にうぐいす餅、きんぎょく、草餅、葛桜、羊羮、八つ橋更にいろいろ…何人前になるのかわからない多量の菓子を佐疫は、たった1人のために作っていた。

(斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島…
斬島は甘い物大好きだからな、ホント可愛いよね。洋菓子も和菓子も好きみたいだし、でもちょっと作り過ぎちゃったかな)

「いや、ちょっともなにも作り過ぎだろう」

佐疫の心の声にツッコミを入れたのは、身夜だった。

「ちょっと身夜、人の心の声にツッコミしないでくれる?」

人じゃなくて鬼だろう、またもやツッコミかけた身夜だが折角の佐斬フラグを折るようなことはしなかった。

「ちょうど良いや。毒m…味見してよ」

「今毒味って言いかけたよな、テメェ」

佐疫の発言に身夜がキレかけたが、トルテを食べるとあっさり機嫌が良くなった。

「何コレ!!超ウマイ。レシピ教えて!!」

2人で料理談義をしていると斬島が来ていた。任務から帰ってきたばかりなようで制服が少々埃っぽい。
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