菖蒲の物語〜獄都事変〜

□肋角さんが皆の部屋をチェックするそうです
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「平腹の部屋は大丈夫か?」

扉を開けることにすら、躊躇してしまう。思いきって扉を開ける。即閉める。

「酷すぎるな…」

服が散らばり、本が散乱している。書きかけの書類まである。そしてベッドサイドのチェストに何かの写真がある。察しの良い方はお分かりだろう。

「……………………」

斬島の盗撮写真だった。しかも、木舌が可愛く思える程に全面的に白くなっている。肋角は無言で他の写真を探した。そして、鬼火で燃やした。

肋角は、なにも見なかった事にして田噛の部屋に向かった。

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「良かった…まともだ」

平腹の部屋のインパクトが大き過ぎてまともな部屋で安心してしまった。
机の上に多少本が散乱しているが、綺麗な部屋だ。

(…?)

散乱している本の中に一冊開かれたままのものがある。見てみると本ではなく日記のようだった。

『〇月×日
今日も俺の斬島は可愛い。笑顔の先が佐疫なのは腹が立つ。再生出来ないくらいに壊してぇ、俺の部屋にオレンジの首輪を嵌めさせて監禁してぇ。もういっそのこと再生するたびに壊して俺しか見えなくしてぇ。斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島斬島』

『〇月■日
斬島と任務だった。亡者が斬島を押し倒して襲おうとしてやがった。完全に肉塊にして斬島に向き直った。色気がやべぇ。襲いたい』

肋角は、日記を閉じて出た

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「これで、最後か…」

さすがの肋角と言えど疲労の色が強い。当然と言えば当然だが

「佐疫の部屋か」

さすがに大丈夫だろう。獄卒一の優等生とうたわれているのだ。扉を開けた。即閉めた。

(!?!?!?!?)

佐疫の部屋には、壁一面に貼られた斬島の盗撮写真があった。勇気を出し入ってみた。机には、『斬島の観察日記』と書かれたものがあるが見ない事にする。床にはなにやら妖しげな玩具が散乱している。もう見る気にならない。

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チェックを終えた肋角が思ったのは、
(何故こうなった)
だった
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