刀剣乱舞〜掃除屋奮起劇〜

□幕開け
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私は、まだ自由になれないんだ。新しい審神者か。私も何にも知らないんだから、私じゃなくてここの刀剣男子に聞いとけばいいのにね。







「主、こんなところで月見か?」
「そうだよ。三日月。月見しながら、酒を飲むと落ち着くからね。」
「そうか。して、それは、何の本だ?」
「太宰治の人間失格。私は、彼が好きなの。人間らしさを求めて、自殺をしてしまうほどの彼がね。それ程までに、人間を思えることが羨ましい。」
「そうか。」
「三日月は、国木田独歩の本を読んだことがある?」
「知らんな。」
「そう、とても面白い。外国のほんなら、小公女と若草物語が私は、好きなんだよ。とても、優しいお話。人生を、ハッピーendで迎えられる彼女達がとても好きなの。」
「ふむ。主は、幸せになりたいのか?」
「なりたいかなぁ。幸せがなんなのか知りたいからね。」
「ふむ。主は、「三日月、酒を持ってきたぞ。」……、鶴よ、いいところだったんだがな。」
「悪いな。お、主も飲んでるのか。」
「そうだよ。お酒は、偶に彼女と飲んだんだ。大切な者に裏切られた彼女とね。元気かな〜。連絡してみようかな。」





あの、心優しくとても強い彼女に。
「月見酒は、彼女がとても好きだったのよ。」
「そうか。主は、どうしてその彼女とやらと出会ったのだ?」
「彼女は、私を異端の者として見なかったの。綺麗といつまでくれたのよ。嘘を嫌ってる彼女の言葉だから信用ができた。」
「そうなのか。じじいは、信用できんか?」
「どうだろうね。そろそろ、帰るね。」






三日月side
主は、この本丸にとどまってくれる。加州がそう言った時は、嬉しかった。主は、1人で月見酒をしていて話した。


「なぁ、三日月。主は、消えそうだな。」
「あぁ。そうだな。触れたら、壊れる位に危うい。」


主、俺らは、もう認めてるんだ。だから、こちら側へおいで。神隠しをしたくなるほどまでにあんたを愛してる。主は、もう俺らからは逃げられない。


「ん?三日月と鶴さんか。」
「おぉ、燭台切に倶利坊か。」
「その呼び方を、やめろ。」
「倶利ちゃん、良いじゃん。鶴さんからしたらまだまだ、子供って言う事なんだから。」
「こんな、元気なじじい共がいても嬉しくともなんともないがな。それより、なんの話をしてたんだ?」
「主についてだ。」
「主か。主って、なんか強そうに見えて弱いよね。」
「どう言う事だ?」



強そうで、弱い。人間は、皆同じだとおもうがな。強そうに見えて、弱い。それは、あいつらとも変わらん。

「主さ、何かを必死に隠してて。それを知られた時の反応が多分、俺らへの拒絶に、なるんじゃないかな?いわゆる、パンドラの箱でもあるんだよ。」
「ぱんどらの箱とはなんだ?」
「開けては、いけない箱の事。それを知ったら、不幸が訪れるとされてるよ。」


パンドラの箱か。開けてはならない。そう言われると、好奇心が湧くのは、俺だけではないようだな。光忠も、鶴も倶利伽羅も皆、興味がある。なぁ、信用は、ならんのか主よ。

そこら辺の人間と我らは、違うぞ。
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